読んでみました。
これまた濃い。
内容は以下の通り。
・天皇制度は予定説に基づいて成り立っている。すなわち、是非善悪を問わず天皇は正しい。絶対的である。
・徳を持つ聖人が善政を行うべし、との考え方は孟子の善政主義、易姓革命の思想であり、天皇とは無縁である。
一言で表すと「正しいから天皇になるのではなく、天皇だから正しいのである。」
・源頼朝もそのように考えていたが、彼の死後、承久の乱が起きた。その時、北条義時が善政主義に目覚める。すなわち天皇の無謬性を否定した。北畠親房でさえ、「神皇正統記」の中で、上皇の責任を追及した。
予定説は崩れ去った。以降、天皇の権威は陰りをみせる。
・時は流れ、明治維新。承久の乱で死んだ天皇が再び復活し、大いなる神秘性を伴い君臨した。